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apo (id:MANGAMEGAMONDO) が妄想を吐き出していきます。

終戦記念:ワタシはカタツムリになりたい。

提灯だー、灯籠だー、お盆飾りだー、墓掃除だー、迎え火だー、墓詣りだー、ってイベントをやっては呑み、呑んではやり、新幹線で自由席の切符なのになぜか指定席に座っててもお咎めナシで帰京。たぶん、今夜、父はテレビを観ていない。今夜だけじゃなくて、お盆の間中ずーっと観なかった。なぜなら、戦争(終戦)特番があるからだ。「イヤなことを思い出して、何が楽しい?」

そんな父のもとに、先日、戦争体験を飛び込みでインタビューに来た記者がいたらしい。「『その年なら、アンタにも戦争体験の一つや二つ、あるでしょう?』って言うからさ、『アンタにも思い出したくない体験の一つや二つ、あるでしょう?』って断った」。

年をとってできた愛娘であるアタクシは、彼の作戦通り、完全なファザコン娘に育った。だから、もちろん父の言うことは、完全に肯定する。

でもね、パパ。フランスでも今年はノルマンディ上陸作戦の何十周年か記念で、地元じゃ、公民館で若い世代に戦争経験を伝えるって世代間交流イベントがいっぱいあったそうよ。アタクシたちの世代は戦争がものすごくイヤなモンだ、って感覚が希薄なのよ。だからさ、イヤなのはわかるんだけど、今度機会があったら、次の世代におせーるつもりで答えてやってほしかったなあ。

ちなみに父は、毎日が日曜日の碁ブチであるから、ヒマだけはたんまりある。どのくらいヒマかというと、庭先で立ちションしようとしてたら、たまたまやってきた保険の勧誘レディーがシッポを巻いて逃げ出すまで「あなたと出会うために、ワタシは今まで生きてたんです」とか真顔で迫ってみるくらい(オシッコ我慢してまで)。そのくらいヒマなのである。余談だが、アタクシは父の真顔で大ウソぶっこく才能だけは受け継がなかった。非常に残念である。

そんな父だから、口説けば口説き落とせたと思うのだ、戦争記事の記者さんも。もし必要だったら言ってください。口説きますから、アタクシが。とはいっても、たぶんこの時期狙ってるんだろうから、遅いでしょうけどね。つーか、聴きたいなら、もっとマジで口説いてやってよ、老人なんだからさあ。

だって戦争中の思い出なんてあったって、フツーにゃ、しゃべらないですよ。しゃべったって苦しい毎日の中にわずかにある楽しい思い出だけじゃないの? 「忘れる」ってのも才能の一つだから、ホントにツライ体験ってキレイサッパリ覚えてない人間もいるし。2億円の小切手ポケットに入れて忘れちゃう人だっているじゃないですか。

愛ですよ、愛。ね。と、思いながら、何の気なしに日高敏隆の本を立ち読みしてたらカタツムリってのはすごい官能的な生物なんで驚いた。どのくらい官能的かっていうと、その行為を想像しているうちに本屋で欲情しそうになるくらい。そのくらい官能的なのである。

なんでも雌雄同体のカタツムリは、一人の中に女のワタシと男のワタシがいるんで、その双方が相手の中の♂と♀を気に入らないとセックスに至らない。ふーん、なかなかフクザツなのね。だから相手を観察するのに、数時間か半日かときには1日中、体中を舐め回しあって確認し合う。ええっ、いやぁ〜ん半日とか1日とかかけて粘膜接触なんて……カタツムリさん、コトに及ぶ前から濃厚すぎますぅ。そのあとの本番は、お互いのペニスをお互いの生殖孔に挿入しあう……。なるほどなるほど、だからパセリバターと相性がいいのね(意味不明)。

タツムリに生まれ変わって愛の交歓、にちょっとじゃなくて、かなり憧れる、そんな8月15日の夜なのであった。どうしよう、明日、エッヂ兄さん観たら、ちょっと鼻血出ちゃうかもしれなくて心配。