ケチになるほどおいしい話～商店街通いが止められない理由
横浜に住んで、最初は洪福寺松原商店街、今は横浜橋商店街と、活気ある商店街を拠点にできたのは幸いとしかいいようがない。選んだわけじゃないのにたまたま徒歩圏内に（いずれもちょっと無理して）商店街がある、あるならば行かなければ！ なぜなら、そこに商店街があるからだ！ 商店街はアタクシを登山家にする。
経済感覚が戻らない
商店街の何がいいって、まず、安いこと。なぜだろう？ 野菜・果物は裸のままで売られてるのが多いからかな。特売商品も、目玉商品も、見切り品も、ざるに盛られただけ、お魚もざる盛り商品が多い。お肉はそうはいかないけど、内臓や豚足・モミジ(鶏の足)まで丸ごと売ってるところが多い。ひき肉も粗びきがあるし、豚小間が贅沢だったり、脂身が多い部位がタレ漬けにされて激安で売られてたりする。
この値段が体に染みついちゃうと、もう普通のスーパーマーケットでお買い物ができない。何を見ても「高っ！」って思っちゃって買えない。困ったことだ。
見切り品という宝の山
なかでも発掘すると「うわ～い」ってなるのが、お魚のアラ。ある日もブリのアラが特大パックで200円になってた。
こういうの見ちゃうと「あ～何にしよう」ってワクワクしちゃうよね。マグロのアラは血合いでもサクを切り出した骨や膜や筋だらけのところでも、タイの頭なんかもテンション上がっちゃう。
マグロやブリはお刺身売り場見て、同じ地域の同じ魚がいたら、自分ルールで生食もオッケーってことにしてる。この日も鹿児島産ブリのおつくりが並んでいたので、お刺身にできそうなところをまず切り分け。身がプリップリすごい弾力。
身の厚いところで、お弁当によさげなミニ切り身もとれた。これは、この間、もらったおいしい味噌で西京漬けにしよう。
脂の乗ったハラミはあぶっていただこう。
最後に残ったこれ。どうする？
面倒だから適当にカットして炊き込むことにした。ちなみにマグロのこういう部分は、オイル煮にして自家製ツナにする。
ブリごはん、完成！ ワシワシがっつきました。
たったの200円で豪華ブリづくし。これは、もう止められない。
往きのごはん、帰りの一杯
おいしい商店街には当然、おいしいお店もあるわけで、横浜橋商店街なら、CMのロケ地にも登場する酔来軒、ふぐの信濃屋、うなぎの八舟、台湾料理の錢爺（ゼニヤ）、天丼の豊野とか避けて通れないお店がいっぱいある。松原商店街では、焼き鳥ムックに寄るのはお約束だった。おいしいごはんを買い物前に食べれば、何よりの衝動買いを防止対策になるし、買い物のあとのご褒美の一杯は、もうたまらん。今は、往路も復路も攻めるってことはないし、直行直帰のこともあるけど、「寄ろうと思えば寄れる」っていうのが、心の余裕なんだよね～。
こんなに身近でいつもアタクシの心を豊かにしてくれる商店街には感謝しかない。一方、その中毒性から、一度立ち寄ってしまえば抜けられなくなる沼ともいえる（山じゃなかったのか）。こうして終わらない探検は続くのであった。氷川丸の正午の汽笛を聞きながら、書きじゃくった。さあ、100円で買った鮭の白子シチューでお昼ごはんにしよう。
