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apo (id:MANGAMEGAMONDO) が妄想を吐き出していきます。

ああ、また手のひらで踊らされてしまいました

ピーロートの秋のワイン買い付け試飲会@ホーム。踊らされた、踊らされた、気分よく大人買い。アタクシともう一人のマダームはこのセールスマン、ポリフェノール・ミヤケ氏にいつもノックアウトされている。全敗。なにしろ、このセールスマンは今やアタクシの好みをアタクシよりも知っているから、「オラオラ、これが好きなんダロ?」的プレゼンテーションでぐいぐい攻められると「もうだめ、欲しい!」と言わされてしまう。しかも猛暑でどこもかしこもよい出来という2003年産をひっさげ、ミヤケ氏は腕をならしてやって来た。絶体絶命。

8〜10本飲み比べるのだけど、その流れさえストーリー展開されるのだから、たまらない。たとえば、これから冬だから、赤はボルドーを持ってきたンだけど、1本はファースト・インプレッションからヘビーな激重タイプ。次に飲み口はソフトだけどしっかりしたボリュームがあるタイプ、という順で飲んだ。どっちもウマウマ。なんだけど「これが30分後に飲んだら、逆のイメージになっちゃったりしてね」とか言ってたら、ホントにそうなった。ちなみにこの2本の前に「キャンティなんてすっこんでろ!」ってカンジの美味しいイタリアの赤(重め)だったんだけど、もう、そんなの覚えてないってくらいのストレート2発でフラフラ。もうね、決めらんない。こういう場合、あとは値段だけ、なんだけど、同じ価格ときてる。「ふふふ、最後はぼくが決めますから」と微笑みを浮かべたミヤケ氏は、90年の樽に長く入ってたポルトガルワインを出してきた。ボルドーに真剣になりすぎた心は軽くなったけど、頭はもうどうすればわかんない。ヌフ・ドゥ・パフもこうして買わされた。こういうストーリーが、赤だけじゃなくて白もあるんですよ。そんで、次の試飲会という続編につながっていくわけだ。

こう書いてみると、まるでミヤケ氏が悪徳セールスマンのようだけど、たぶん彼はアタクシが騙されたいと思っている相手なのだからしょうがない。でも、セールスマンなら誰にでも騙されたいってワケでは、もちろんない。この間「apoさんが絶対お好きなハズですよ」とミヤケ氏が持ってきた本命ワインとその当て馬に持ってきたワインを試飲している間に錯乱しちゃって、うっかり当て馬を選んでしまったのだ。そのとき「ホントにこっちでいいんですね?」と念を押されたけど、アタクシは自信を持って「ええ、もちろん!」と答えたのだ。「じゃあ、これはみなさんでお楽しみください」と置いていってくれた、その場で開けた本命を飲んでるうちに、「しまった!」と大後悔。後日「ごめんなさい、ミヤケさんの言うとおりでしたわ」と電話で話したら、ミヤケ氏は「でしょう?」と言ったきり。フツーここで、「じゃあ、お届けしましょうか?」ってことになると思うんだけど、絶対にそうはならない。ライブは一期一会。そこで、正しく導けなかったというパフォーマーの失敗と、正しい選択ができなかった客の失敗は、取り返しがつかない真剣勝負なのだ。(そして、大げさに衝動買い)

「agua」のカテゴリーは年中、飲んだ酒を忘れちゃうからその備忘録にしようと思って作ったので、その目的を初めて果たしておくことにする。でも、全部は書けないから、買わなかった白を2つ。買わなかったけど、嫌いじゃない。アタクシにとって、もっとイイのがあっただけ。むしろ書いておくくらいだから未練たっぷり。

  • カールシュタッター・コブナート2003年 ファルツ シュペトレーゼ(03 Kallstadter Kobnert/名前 Pfalz/地名 Spatlese/等級)
  • ドルスハイマー・ゴールトロッホ2002年 ナーエ アウスレーゼ(02 Dorsheimer Goldhoch/名前 Nahe/地名 Auslese/等級)
    • これもリースリングなんだけど「これ、アイスワインだよ」って絶対に騙せるってくらい甘さととろみ。乱暴にいうと、ワインの等級はぶどう畑の囲い方で、下の等級なら「この地域」、上なら「この山」、その上なら「この山のこの高さ」ってなる。それが、これの場合「今、立ってるココ」ってくらい限定してるとか。そのくらいのパフォーマンスが出せるブドウじゃないとこうはならないってことらしい。もともとは自家消費+近隣へのプレゼントくらいの生産量も少ないワイン。たしかに美味しいんだけど、ここまで甘いとデザートワインだよねえ?と聞いたら、ソーセージとイモとかマスを焼いたのとか、ドイツのシンプルな料理には合うそうだ。ちょっと想像つかないけど。セール価格:@6825円→たけーヨ! ミヤケ氏は「こんなのもありますよ」っていう話のタネにってのと、このあと続くヘビーな赤の前の休憩で持っていたらしく、マジで売ってなかった。(笑