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apo (id:MANGAMEGAMONDO) が妄想を吐き出していきます。

コンニチハ!ウブ代表です!

ショウ君のロレツまわんない映像で落ち込みぎみのアタクシを萌え萌えにした村上春樹エルサレム賞とそれをめぐる問題について、id:hizzzさんがハードボイルドに論評しています。

スピーチについては、サイードチョムスキーと並べられて

なんとか無難に質されている政治マターもハズさない程度に纏めて文芸しときました

賞受賞。及第点だったみたいです(よねえ?)。とはいえ、大絶賛するのは「ウブすぎやしないか」と指摘されていましたが、ウブすぎるアタクシが萌えたのは、まさにココです。

やってることの意義はあるのでしょうが、ソンタグとかサイードからタコ殴りされるノーベル文学賞受賞者よりも、ずーーーっと鑑賞に堪えます。高き(かどうかは知らない)思想を胸に政治的な表現活動を行なっているイイ年したインテリおっサンが、タコ殴りですよ。サッカーは虐殺ショーでも楽しいものです。1対1じゃないですから。だけど、格闘技のワンサイドマッチほどつまらんものはありません。試合内容以前の問題です。相手を選ぶか、特別ルールを設けるかして、イーブンに闘える土壌がないとお話になりません。

それも本人が非常にイヤであろうと、相手にしてみりゃ「日の丸つけて」出てきた代表がコレです。新聞社と本人がお好きにやった企画なんでしょうけど、「結局、日本人のレベルってのはこの程度」とケチョンケチョンにされて「もうね、しょっぱい試合しやがって、聴衆のことも考えろや」って思いました。こういう試合見せられると、「問題意識を植え付ける」前に、「問題に向き合うことへの抵抗」が形成されちゃうわけです、ことにアタクシのようなアタマの弱い層には。

ここから「しない善よりする偽善」気運をメッタメッタにして「働いたら負け」に戻したうえ、立派な「自宅警備員」養成のきっかけになったんじゃないかって容易く妄想できますもの。謝罪と賠償を要求したいくらいですわ。

その点、村上春樹は最初から期待がゼロでした。新作5年以上出してないのになぜ今? たしかに「熟慮した」とは言ってましたけど「せっかくだから、ちょっと行っとく? まあ、こーゆー機会でもないと行けないし」的な軽さを感じます。まあ、オンナが芸の肥やしなら、旅は物書きの肥やし。仮にそうだったとしても、「だから私はすぐ現場に行く」のソンタグをしてさえ、文句はつけられなかったでしょう。で、タフでも骨太でもないユダヤやアラブのインテリでなく、ヤワで弱そうなとっつぁん坊やメイド・イン・ジャパンが、フラ〜とやってきて「君らが叩いてるアイツらが卵だとして、君らも、ある意味、卵じゃん? で、オレもなんだけど、どう? 叩ける?」と。これであちらのお偉いサンから歓待されたり、サイン責めにされて帰ってくるんですから、小気味よいですわ。もちろん、こんな大義名分がありますから、東エルサレムにネタ探しに出かけても「自己責任」とかは言われないでしょうし。

団塊のおじさんたちのこういうズルさって、カッコイイですわ。姑息な処世術で終わってるか、姑息にさえなりきれずに自爆するケースが多いのが残念ですけど。この世代にとっては、健康でいることすら、奇跡です。あ、たしかにカッコイイけど「好きか?」と問われたら、カワイイと思うのはショウ君です。

こう、いろいろ自己洞察してみますと、だめんずアダプターはついてますが、ドMではやっぱりダメなんですわ、アタクシ。そしてアタクシもまた、ドMにはなりきれないのです。