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apo (id:MANGAMEGAMONDO) が妄想を吐き出していきます。

グァテマラ日記(02)

もしかしてグァテマラはワタシを拒んでいるのか?

メキシコシティも、定宿にしているサンフェルナンド館もあまり、というよりむしろ何も変わっていなかった。しかも、女将のアドリアナさんによれば、最近、治安はよくなっているという(彼女も幸せそうだ)。渡れるかどうか心配していた道路も、ドキドキしながらメキシコ人にくっついて横断できたし。メキシコシティの道路は、信号があるからって油断できない。車線は広いし、車がどう突っ込んでくるか予測がつかないし、束でこられたら渡るスキマも向こうまで渡り切れる時間もない。だから現地の人の車が来るほうの反対側に立って待ち、この人が動きだしたらピタっと張りついて一緒に横断する。もう、ネスタもビックリのピッタリマークだ。そんなこちらの不審な動きをたいていのメキシコ人はわかっていて「はは〜ん、コワいんだろ?」「ええ、滅法ビビっちゃってます」「ヨシヨシ、じゃ、いっしょに渡ってやるからおいで」てな感じで、オジサンもオバサンもセニョリータも声をかけてくれるから、助かるのだ──が、ここに来るまでは、そういうふうに順応できるか心配だった。

車も含めて、たしかに治安はよくなっているような気がする。以前は、ペセロ(市内ミニパス)がここはサーキットじゃありませんよってくらい、ほかのバスやタクシーのデッドヒートをくり広げていたのが、今はそれもない(多少の幅寄せはしても)。

朝は、街角に出てるジュース屋で生オレンジジュースを飲む。何がなくともこれがないとウンコも調子も出ない。そこでジョッキー1杯6ペソ(約60円)のをちゅーちゅーストローで飲んで(あいかわらず、ウマイ)、ソカロまで散歩する。この間来たときは補修工事中だったカテドラルは、今は内部に組まれた柱もなく、どこを直したのかわからないが、元の荘厳さを取り戻していた。広場に揚がるメキシコ国旗をまぶしく見ていたら冷たい空気に包まれたせいか、思ったより早く旅立ちたいと腹の中から声がする。向かいのマクドナルドへ行くと、「開けてないんです」とツレない返事。ラフな格好だったので多少遠慮したのだが、入り口のベルボーイに「ブエノス・ディアス」と誘い込まれるままホリデーインに入って至福の開放。ああ、スッキリ。

14時半のフライトなので、それからシャワーを浴びて、11:00にサン・フェルを出る。物価がわからず替えすぎてしまったペソをケツァールに買えてくれる両替屋は探しまくったが見つからなかった。けど「セニョリータ」といわれて満足して、アメリカとは天と地ほどの開きのある出国審査を済ませ、12時過ぎバーに腰を落ち着ける。で、モデロ(ビール)を頼んだら、オーダーを通された兄ちゃんがカウンターの中で「コロナじゃないのぉ?エー、コロナじゃないのぉ?」とシツコイくらいに聞いている。外国人はコロナと相場が決まっているのか? でもコロナなら東京でも飲めるもん。

15:00、なんと飛行機を乗り過ごす。19番ゲートで待っていたら33に変わったという。へ? 絶対にアナウンスが聞き取れないと思っていたから、メヒカーナ航空の兄ちゃんに搭乗券を見せて確認したじゃん。2度も。で「そう、ここです、ここで待っててください」って言ったじゃん。結局、3度目に聞いた人が正解だったのだが、時すでに遅し。遠く離れた33番ゲートへ走っていっても間に合わず。「じゃあ、次のに乗せてよ」「乗れると思いますけど、お金がかかるでしょうね。スーパーバイザーと話してください、下のカウンターで」と言われ、またまたメヒコに入獄だ。

カウンターのセニョリータもチャージがかかります、という「たしかにあなたのせいではありませんが、乗り遅れたのはあなただけなのです」。「ええ、そうでしょう。でも、2度も間違った情報を与えられた不幸な人もワタシだけでしょう?」と聞いたら、セニョリータはノーチャージで搭乗券をくれた。いい人だ。もちろん、予約変更可能なチケットだったせいもある。けど、ダメといってapoが払うお金をポッポに入れて、そしらぬ顔で予約変更として処理することもできたのだ(残念ながら、こういうことは多い。土産物売りの露天商だけでなく、空港タクシーや3つ星以上のホテル、テーブルクロスのかかったレストランでも、だ)。それをやらなかったのだからやっぱりいい人なのだと思う。

そんなわけで、夕方早めに入れるはずの治安が悪いと噂のグァテマラシティに23時に着くことになった。ともかくあと5時間もあるので、ホテルをなんとかしておかなくちゃならない。