[ _e_x_h_a_l_e_ ]

apo (id:MANGAMEGAMONDO) が妄想を吐き出していきます。

グァテマラ日記(03)0:30am

──まあ、イイや!

できればグァテマラシティ(グァテ)は通過したいくらいだけど、夜遅く着く以外にも一泊する理由があった。今、エル・サルバドルで働いている旧友が偶然にも同じ時期にグァテにいるという。「じゃあ、昼過ぎには着くから1月31日の夜、ホテルに連絡するね」と約束したのだが、ホテルで待つ彼女はapoが飛行機を乗り過ごしたコトなどもちろん知るはずもなく。メキシコの空港から何度もグァテのホテルに電話したが、途中でいつも切れてしまう。ああ、こんなことなら日本から予約しておけばよかった、と思ったが後の祭り。

そうだ! 彼女のホテルはカミノ・レアル系列じゃん! ちょうどメキシコシティの空港にカミノ・レアルが隣接している。今夜のグァテのお泊まりはここで予約を入れちゃえばイインじゃん! apoってば、なんて賢いンでしょう!

スキップしながらカミノ・レアルに行って「今夜、予約入れたいんだけど」と話すと「ウチの系列のホテルはグァテマラにはありません*1」と冷たいお返事。そんなぁぁぁ…。
「“カミノ・レアル”の名前を使うホテルはたくさんあるのです。グァテマラシティにあるのはウェスティン・グループでしょう? うちとは無関係なのですよ」
「ええっ、じゃあベリーズにあるのも……」
「一切関係ございません」

くそっ! ニセノ・レアルめ! でも、どうしよう、空港の公衆電話は途中でキレちゃうし、ブツブツ……とクダ巻いてたら「あなたが今夜泊まりたいのはホントにこのニセノ・レアルでいいんですね?」とカミノ・レアルの親切なレセプションのお兄さま。「テレカは持ってますか?」「ハイ」「じゃあ今、番号をお調べしますから、ちょっと待っててクダサイね」「ううう、おありがとうございますぅ」。このご恩はいつか、こちらに泊まってお返しします。

「うちの電話なら切れませんから、あちらのブースでどうぞ」と勧められた電話は、たしかに切れなかった。さすがカミノ・レアル(王道)の電話だ。でも、今度はニセノ・レアルの内線がおかしい。何度かけてもラチが明かない。予約が取れないまま、テレカの度数も底を尽きていく。

まあイイや! ホテルがダメでも、お金さえ持ってれば、なんとかなるって。ホテルはいっぱいあるんだからさ。でも、現ナマがないとタクシーにも乗れないからね〜。でも夜中までグァテの空港の両替屋がやってるかどうかわかんないから、準備しとこうね〜。それで今日のミッションはおしまい! とグァテマラ・ケツァールを扱っている両替屋を探す。ところが20軒近く回った結果、どの両替屋も銀行も「ケツァールを持ってる店は空港にはありませんよ、セニョリータ」。いい加減くたびれた。

まあイイや! カード持ってるし。“セニョリータ(お嬢さん)”連発されたからヨシってことで、ビール飲んじゃお。ついでにエビのセビッチェも食っちゃおっと。のんびりしてたら、もう7時じゃん。今度は乗り遅れられないからもう出国しなくちゃ、とレストランを出ると、正面の両替屋に「ケツァール」の表示!
「わお〜、ケツァールあります?」
「ありますよ、セニョリータ」。助かったァ〜。

メキシコシティのまばゆい夜景と比べたら、グァテマラシティの夜は暗い。でも不思議なことに、対ドルレートはケツァールのほうが断然強いのだ*2。信じられない。apoが知らない間に、ケツァールとペソの価値が逆転してる。国力は依然、メキシコのほうが数段上のまま。

イミグレのオッサンは愛想がなかったので、それよりちょっとマシだった税関のオッサンに「ここからソナ・ビバまでってタクシーでいくら?」と聞いてみる。「5〜6ドルってとこ」「ケツァールなら?」「40〜50じゃん」。
タクシーに聞くとこれが「60ケツァール!」になる。だけどお金は渡すまではこちらにアドバンテージがある。
「ええーっ、40って聞きましたけどぉーーー!!」なんて言ってるうちに友人が泊まってるニセノ・レアル系ホテルに着いてしまった。そうだ、10区は近いのだ。前に来たときは、バスでソナ1(1区)まで行ったんだっけ。後に開発されて今は高級ホテルが立ち並ぶ10区、通称ソナ・ビバ(リビング・シティ)なんてできてすらいなかった。タクシーの運ちゃんは「今日、別の日本人も乗っけたんだけど、アレ、アンタのトモダチだろ?」と55ケツァールにしてくれた。ラッキー、わたしのトモダチ、日本人じゃないンだけどね。

ニセノ・レアル系のこのホテル、チェックインしてビックリする。一泊100ドルなのだ。どうせ一泊しかしないからいいけど、アメニティや設備を考えたら日本より高い。朝食つきだけど(レセプションのミョウに愛想のいいオヤジも、そこを強調した)。

部屋に入ったのは12時過ぎ。とりあえず友人の部屋に電話をすると、彼女は死んでいた。まあ、イイや。どうせ明日会える。メキシコシティでは半分、会えるかどうかもあきらめてたくらいだし。じゃあ、明日の朝ね、と電話を切って、即、ルームサービスでワインを頼み、バスタブに湯を張る。やっと一服。

ルームサービスのチリワインのフルボトルが200ケツァール。1ドルがだいたい8ケツァールだから、2500円くらい? 一泊100ドルのホテルの価格にしては安いのねえ? 一体どうなってるんだ、グァテ? 物価も事情もまったくわからん。

まあイイや! ムズカシイことは明日、考えることにしよう。

*1:ちなみにメキシコシティのベニート・ファレス国際空港に隣接した“Camino Real Mexico Aeroporto”もカミノ・レアルグループではなくて、今はマリオット系列になっている。空港に出ている看板は未だに「カミノ・レアル」のままだけど、正式名称は違うはず。apoに最初に対応してくれた人はわざわざ元カミノ・レアルの従業員だったお兄ちゃんを呼んでグァテ事情を教えてくれたのだった。

*2:apoのいた2004年2月の時点で、1ドル=約8ケツァール=約11ペソ。だが10年前はペソとケツァールが逆だった。たとえメキシコペソの対ドルレートが下がっても、ケツァールより弱くなるなんてことはなかった