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apo (id:MANGAMEGAMONDO) が妄想を吐き出していきます。

グァテマラ日記(05)

ビールを飲んで太るカモ

2/1の晩、予定より遅れて帰ってきた友人と夜10時から感動の再会酒盛りを始める。その時点で、ビールの洗礼+絶品のチレ・コバネロ(コバン産チリのソース)とロンガニサ*1、さらに河岸を替えて観光客向けレストランでワインのハーフボトル×2を空けて、下地は十二分にできていた。だが、ここで情に厚いapoが手を抜くはずもなく、きっちりお相手して差しあげる。まず、ディナーを食いっぱぐれた友人らとイタ飯屋でワイン、さらにホテルの部屋で女子3人でフルボトル×2。眠いなあ、と思ったら午前3時だった。

あれ、今日(もう昨日だけど)、買ったバスのチケットって5時だったよね? 朝の。なんでそんなの買ったんだ? 寝ないつもりがなぜか6時半に友人からの電話で目が覚める。「やっぱりね」。受話器の向こうから勝利の笑い声。

でも、これが幸いした。第一に、彼女とまた朝食をともにできた。第二に、まだボルつもりでいたこのホテル(あるいはレセプションのミョウに愛想のよいオヤジ)の計略を阻止できた。朝食のあと、チェックアウトをしにレセプションに行くと、出された請求書にはルームチャージが一泊300ケツァール以上ついている。ディスカウント済みの代金をギジェルモに払ったのにもかかわらず、だ。「あらぁ、これはうちのエージェンシーと話さなくてはならないわ」と、再びギジェルモにタッチ。ようやくルームサービスのワインと電話代だけの正しい請求書になった。

残念ながら昨日「ムセオス行き幸運のチケット」を書いてくれたベルボーイには会えなかった。ここには二度と泊まらないけど、彼にはお礼を言いたかったのだが。

今度はタクシーで長距離バスの乗り場まで行き、9時のケツァルテナンゴ行きのバスに乗る。座席は最前列の4番で、隣は空いていた。ラッキー、と思ったら後ろの席だったビジネスマン風のオッサンが「ここ空いてますか?」と移ってきた。それから4時間、ホルヘというこのオッサンとおしゃべりが止まらない。なんとなく、ホルヘが隣に来たときから、そんな予感はしてたんだけど。ホテルはバスの中で考えればいいやなんて思ってたapoの完全なる敗北だ。

そもそもなんで5時なんて無謀なバスにしたかといえば、日本から連絡していたスペイン語学校を午前中のうちに訪ねたかったからだ。連絡した時点でもういっぱいだったのだが、「キャンセルがあるかもしれないからぜひ来てください」と学校の責任者から返事をもらってやる気まんまんだったのだ。

そんなわけで、バスの中でもビールビールと騒いでホルヘから受けた「じゃあ、うちの妹のとこで飲んでく?」というたいへんありがたいオファーも、「金曜日を楽しみにしてるわ★」とかテキトーな返事で丁重にお断りする。ホテルと学校を決めるという今日のミッションは重大だ。

とはいえ、ビールもないがしろにはできない。長距離バスから、カミオネータ(ミニバス)に乗り換えて、ケツァルテナンゴ*2の中心部、パルケ・セントロアメリカ(セントラル・アメリカ公園)へ。カフェに入ったら、お待たせしました! おビールのお時間です!

ホルヘがウマいといっていたDorada(ドラダ)を試す。飲んでわかった。ホルヘはグァテマラ人だが、今アメリカに住んでいて、普段バドだのミラーだのたぶん飲みつけてるんだろう。だからこの軽いビールがオススメだったんだ。たとえていえばスーパードライ。メキシコのもウマイけど、グァテマラもビールはウマい。いちばんメジャーなのがGallo(ガジョ)、これがキリン。でもapoの好みは断然Cabro(カブロ)だ。Galloと同じメーカーが出してるんだけど、もっと苦くてワイルドなのね。そのCabroの故郷がここ、シェラ(=ケツァルテナンゴ)である。そのためにココに来たわけではないけど。

で、案の定、ホテル選びも面倒になり、ツーリストインフォメーションへ行く。対応してくれたメルデセスに、「なんとなく○○○○がいいと思うんだけど、どう?」とホテル名をあげて尋ねると、15秒ほど「うーん」と考えてから「どういうホテルに泊まりたいんですか?」と聞かれた。あれ、英語もおぼつかなくなってきた? 「いえね、高いホテルがいいなら、もちろんあるし、紹介も予約もできます。でも、サービスと値段が釣り合ってて、設備が整ったもっと経済的なホテルもたくさんあります。もちろんロケーションもよくて。あなたが泊まりたいのはどちら?」。たしかに、ここで一泊100ドルのホテルに泊まりたいわけじゃないし、スーパーサービスはいらないし、さらにオーバープライスはご遠慮したい。「だから聞いたのです。それに、あなた日本人でしょう?」そう、上客だ、より正確にいうなら上カモだ。

そんな親切で頭がよくておまけに美人のメルセデスのオススメで、モデロというホテルへチェックイン。バス(お湯が出る)・トイレに衛星テレビがついてて250ケツァール。わたしもオススメ。暖炉もある。

さて次は学校だ。で、行ってみると、商売熱心なアメリカ人スクールダイレクターが、ただ単に日本人の生徒をもっと受け入れたいだけ、ということがわかりがっかりする。「あなたか、誰か日本の窓*3になってくれる人がいるといいんだけど」。“日本人”からは金が取れる、だから日本人の生徒を増やしたい。さすがアメリカ人、すごくわかりやすい! あげくの果てに「日本にうちの学校を紹介してくれない?」ときた。リクエストにお応えして、紹介したからね、ガブ!

帰ってきたその足で再びメルセデスを訪ね、「ホテルは満足。次は学校も紹介して! あと、サセルドーテ・マヤにも会いたいの」と頼む。「OK。この仕事だけかたづけちゃうから1分待って」。たいてい、グァテマラ人がこういった場合、1分が30分とか1時間とかそれ以上だったりするのが普通だけど、メルセデスは本当に1分ちょっとだった。

それから30分後にはスペイン語学校が決まり、一人目のサセルドーテ・マヤを紹介されていた。これはグァテマラでは驚異的なスピードだ。奇跡の予感がする。

そうだといいんだけど。実はサセルドーテ・マヤ(シャーマン)探しが今回の旅のメインテーマなのだ。

*1:Longanisa。スパイシーな腸詰めなんだけど、使う腸が違うのかチョリソより太い。

*2:標高2500mの高原地帯にあるグァテマラ第二の都市(だが、決して大阪などを思い描いてはいけない)。人口は約10万人。街の通称はXela(シェラ)。インディヘナ(先住民族)の言葉でのこの街の名前「Xelaj(シェラフ)」から。

*3:HP経由での予約は75ドル必要で、そのお金は「返金不可能だが、授業料の一部」と書いてある。だが、その75ドルが窓口の斡旋手数料になる。つまり生徒一人につき75ドルが窓口になる人の報酬だ。むろん、窓口は問い合わせにも答えなくてはならない。だが、問い合わせだけは日本で日本語でできても、現地には日本語によるサービスを提供するスタッフはいない。