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apo (id:MANGAMEGAMONDO) が妄想を吐き出していきます。

グァテマラ日記(18)

シルビアとのお別れランチが思いの外、長引いてしまい、シェラを発ったのが午後4時のバスになってしまった。日が暮れる前にはパナハッチェル*1に着いて、ホテルにチェックインする予定だったんだけど、バスの中でアティトラン湖*2の日没を望む。でも湖畔のパナまで下るにはあと1時間くらいかかるだろう。しかも、この仕事上手な車掌は、どこでもかしこでも人を満載にするまで発車しない。インテリ顔の運ちゃん(には似つかわしくないけど、とっても男前)は、ものすごく飛ばしてくれるんだが……。

ちなみにこの運ちゃんは、自分でCDを焼いてるらしい。パナ入りする直前、「あ〜あ、もう日が沈んじゃうよ」と軽く落ち込んでたら、セレナ*3のメドレーがかかった。うーん、顔もイイけど選曲のセンスもイイじゃん。これにはたいへん勇気づけられた。やった、apoにはセレナが着いている! なぜかここで、こんな看板が……。

La Vida es Corta
!!DISFRUTARA!!
(人生は短い。楽しみなさい!!)

バスの中でホテルを選んでいて、そのうちどれでもいいから、というか、気に入らなくても別のホテルを探す時間的なゆとりがない現実が刻一刻とせまってくる。そんな気持ちで『ロンリープラネット*4を真剣に読んでると、なかなかよさげなホテル発見。「宿泊客オンリーの露天風呂」ステキー!! ヨシ、このオテル・レヒス*5に決めた。ん? でもここ、シングルの値段がハイシーズンで70ドル、ローシーズンで27ドル、ですと!? ずいぶん差があるなー、コワイヨー、またボラれちゃうよー、しかもここは観光地パナハッチェルである。

ところで今回、初めて『地球の歩き方*6が役立った。

バスで隣り合わせたとってもキレイなセニョリータに「サンタンデール通りはどっち?」と教えてもらい(いや、ホントは聞かなくてもわかったんだけど、美人にはとりあえず声をかける、これ常識)、オテル・レヒスを探す。本だの余計な辞書だのお土産だのを郵送してすっかり軽くなったボストンを転がして、グァテマラっていうより原宿ってカンジのサンタンデール通りを足早に進む。観光地化はされているけれど、英語を話すヤツだけ避ければ、グァテマラとは思えないほどのんびりしてる。夜、一人で出歩いても全然問題なさそう。ああ、よかった。

レヒスに決めたのは、露天風呂もあるけど、明日フアンと会うカサ・ブランカにもバス停にも近いから。プラヤ・リンダホテルとかもイイなと思ったけど、メインストリートから離れているのは夜ちょっと心配だし、湖畔の高いリゾートホテルは予約をして、タクシー(トックトゥクとかリキシャみたいなのがいっぱいいる)で行くべきなのだろう。たぶん。

レヒスにチェックインしたら、レセプションのお姉ちゃんは最初「325ケツァールです」と英語で言った。値切るつもりじゃなくて聞き取れなかったから「はぁ?」と聞き返したら今度はスペイン語で「300ケツァールです」と計算機を見せた。とりあえずOKして「荷物を解かないとお金がないから」と部屋に行き、『地球の歩き方』をチェック。お、よかった、ここが載ってて。『地球の歩き方』を持ってもう一度レセプションへ。「ねえ、これは日本でとってもすごく有名なガイドブックなんだけど、ここにシングル200ケツァールって書いてあるわよ?」とセニョリータに言ってみる。「それは以前の値段です」と返事はしたけれど、面倒ごとがイヤそうなセニョリータは即スーパーバイザーっぽい男性にタッチ。「どこに値段が書いてありますか?」「こら、ココです。ネ? 200ケツァールって。これ04-05年版だから古いって言われると、ちょっと困っちゃう」「むむむ(一生懸命、日本語を読んでる)」「たぶん、日本人の多くがこれ見て来ると思うの」「うーん、じゃ、250ケツァールでどうですか?」「オッケー!」。『ロンリープラネット』のローシーズン価格なでは下がらなかったけど、30ドルになった。すばらしい! 『地球の歩き方』!!

チェックアウトするときは是非、褒めてやろう、と思った露天風呂を独占して、星空を眺めつつあったまり、レスタウランテ・カジェ・サンタンデールプラト・ティピコ*7とガジョの晩ご飯。ヘンなカップルがわけのわかんないクレームをつけて騒ぎ出す。お兄ちゃんは「アイツはアホだから気にしないで」とapoにウィンクくれると、仲間を呼んできて、とっとと追い出す。けっこうなお手前でした。

*1:パナハッチェル/Panajachel。ケツァルテナンゴからバスで3時間くらい。標高1560m/人口5000人の“グリンゴテナンゴ(ヤンキー、っていうか観光客全般の地)”なんてありがたくない別名がある観光地。こことアンティグァがグァテマラ観光の目玉になることは間違いない。60〜70年代はヒッピーに、また芸術家からも愛されて、ここに住み着いちゃったガイジンも多い。3000m級の火山に囲まれたアティトラン湖はリゾートとして文句なし。ウォータースポーツにトレッキングとアクティビティもいっぱいだ。

*2:アティトラン湖/Lago de Atitlán。稜線が入り組んだカルデラ湖で広さは128平方km、深さは深いところで300m以上ある。周辺にはそれぞれ特色が違うインディヘナの村が点在し、朝のアティトラン湖では伝統的なボートで漁をする住民の姿も見られる。最近はパナの賑わいを避けて対岸のサン・ペドロに渡ってのんびりするのが人気。

*3:パワフルな美声を持つメヒコ生まれのテハノtejano音楽(メヒコの伝統音楽+ポップス)の女王。USA、メヒコで大スターになり、愛のある結婚もして、95年にグラミー賞に輝いた。その直後、凶弾に倒れ、帰らぬ人に。24歳の誕生日まであと2週間だった。参考:A Tribute to Selena そんなセレナの一生は97年にジェニファー・ロペス主演で映画化もされた。

*4:メキシコ編はデキがいいけど、ロンリープラネットの中で比較するとグァテマラ版はデキが悪い。

*5:Hotel Regisネットでみたら、現在シングル1泊51ドルになってる

*6:以前、地図が東西逆版で刷られていたことがあったり、投稿の意見は3割減にしないとアテにならなかったり。紙数の問題もあるけど紹介されてるホテルも限られてる。ある友人はここに載ってる宿を避けるための目的だけで買っていた。

*7:Plato Tipico。郷土料理の盛り合わせ。店によるけどチレ・レジェノス(Chile Rellenos/ピーマンの肉詰め)とかチョリソーとかフリホーレス(frjores/黒豆の煮込み、っていうか甘くないアンコと思ったほうが吉)とか。考えるのが面倒なときにオススメ。もちろんトルティーヤ付き。