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apo (id:MANGAMEGAMONDO) が妄想を吐き出していきます。

グァテマラ日記(22)

暑くて死にそう、もうヤダ!! とさっきまで思ってたのに、シャワーを浴びたら、回復してしまった。立ち直りが早すぎる。キャッシュなapoにBrahva(エル・サルバトルのビール)で乾杯を!

アンティグアを出るときから、ちょっとイヤな予感がしていたのだ。グァテからは長距離バスに1等と2等があり、それぞれの会社へ行く。apoはもちろん1等のバス会社へ行き、エスキープラス*1までの1等料金を支払った。1等にしちゃあ、ずいぶん止まるなあ、と思ってた。そしたら、やっぱりチキムラで「エスキープラスへ行くなら、ここからコンビ*2に乗ったほうがイイ」という「こっちのほうがうんと早いから」と。うそだろ、1等の料金をエスキープラスまで払ってるんだぜ、アタクシは。それがコンピに乗せられて料金係に「5ケツァール」とか言われちゃうのだ。「アタクシ、もう払ったわよ」と堂々と答えるが、それも虚しい。1等なのに、日本で言うならバンを改良したこの車に今、20人くらい詰め込まれて、しかもapoの前にはふかしたトウモロコシを食べた手で(皮とシンは窓からポイ捨て)そこいらじゅうをさわりまくる調教が不十分なガキがいる。1等のサービスはどこいった? それにしてもコイツら、貧乏なくせにどうしてココまでデブなんだよ?? そんなこのにムカつきまくりながら、エスキープラスに着いて、シェラやアンティグアをなつかしく思う。

でも、チェックインしたホテル・パヤキは90ケツァールで、プールがあり、子どもが遊んでいる。シェラのヴィクトリアさえ、200ケツァール払ったというのにここで大丈夫なんだろうか。彼女のアドバイスどおり、「水は出る?」と聞いたら「そんなの問題ありませんよ」と答えが返ってきた。シャワーを浴びてまったりしたら、もう疲れがふっとんだ。

ところが、やっぱり、そうカンタンではなかった。そのうち結婚パーティが始まって、とんでもなくうるさくなった。これじゃあ、眠れないな、と思ったのでレセプションへ「部屋を変えて欲しい」と言いに行ったら、オヤジが「部屋はない」とかとぼけてる。それでも粘り強く「私は眠い。でもムリ。なんとかしてよ」と要求していたら、ちょうどそこに帰ってきたマダーム、このホテルの女将らしい。ルームキーを振り回しながら要求しているapoの異様な姿を見て、レセプションオヤジに「彼女は何と言っているの?」と聞いてくれているではないか。このチャンスをムダにしてはいけない。すかさず英語で「おお、マダーム。私はさっきこちらにチェックインしました。とっても気に入っております。ただ、このお部屋ではパーティの音が大きくて、とても眠れそうにありません。私は今朝、早朝にケツァルテナンゴを発って(ウソ)、さっきここに到着しました。音楽もダンスも大好きですから、普段でしたら、ウェルカムです。でも今夜はカンベンしていただきたいのです」とまくし立てた。すると速攻で「まあ、なんですって!! それはおかわいそうに。すぐ、チェンジしてさしあげなさい!!」とレセプションオヤジに命令してくれた。ラッキー。

それから、プールサイドのレストランで、のんびりとロバロ・エン・フランセサ*3を頼んだら、これが40ケツァールなのにウマい。このバス(魚)がどっから来たんだかわかんないけど、でもウマい。夕暮れの中で食事をしていたら、ものすごい勢いで、日が暮れていった。今、7時。もうすっかり夜だ。パヤキの従業員は、あのとぼけたレセプションの男を含めて、みんな愛想がよくて、チャキチャキ動く。さっきまでのグァテマラ南部への悪印象も夕日とともに沈んでしまった。

シェラのレストランでチップを伝票の下に置いて、出ていこうとしたら、シルビアから「apo、チップはここ(グァテマラ)では直接渡したほうがいいわ〜」とアドバイスされた。apoはさりげなく置いて出ていくほうがエレガントだ、とずーっと思っていた。でもシルビアは「でも、そうしたら誰かに盗られちゃうかもわかんないでしょ。だからテーブルのお世話をしてくれた人に直接、確実に手渡すほうがいいのよ〜」と言うのだ。それ以来、どんなに急いでいてもチップは必ず自分を担当してくれた人に手渡すようにしている。

ここでもそうした。それまでもチャキチャキ働いてたウェイトレスのお姉ちゃんだが、サービスはダブルアップになる。渡しすぎたか? せっかくだから「バシリカは何時まで開いているの? もう散歩するには遅いかしら? 日が暮れたから、虫除けをしないと*4、蚊にいっぱい刺されちゃうでしょうね?」と聞いてみた。「いいえ、そんなことはありませんよ。バシリカが見たければ、これからでもまだ十分にご覧になれますよ、だってミサは8時からですもの。どうぞ、いってらっしゃいませ」。結婚パーティの準備で全員かけめぐっているなか、彼女はたいへん親切に黒いイエスの見学方法を教えてくれた。

では、行ってみよう。

*1:Esquipulas。ホンデュラス国境に近い、グァテマラ南東部の街。人口8000人。ここを訪ねるほとんどは観光客で、すべての人の目当ては“黒いイエス”のある教会バシリカだ。伝承によれば街の名前になっている“エスキープラス”とはスペインによる征服前のここの領主だったらしい。ほかの地域の領主がスペイン人に抵抗する中、この領主は反抗せず、スペインの征服者を平和裡に受け入れたという。その後、現在のバシリカ(大聖堂)が建つ場所に“黒いイエス・キリスト”が出現した。1595年、この像が彫られ、病気が治るなどの奇跡が起こした。1737年、時のグァテマラ大司教のペドロ・フィゲロアがこの地を訪れてから、巡礼としてメジャーになる。1758年にはバシリカが建立され、黒いイエスもここに納められた。

*2:バンを改造した乗り合いバス

*3:Robalo en Francesa/ブラックバスのフランス風。マッシュルーム入りホワイトソース

*4:グァテマラにはマラリア、黄熱病、ポリオが発生している。とくに南部や低地では虫除けは必須。