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apo (id:MANGAMEGAMONDO) が妄想を吐き出していきます。

邱永漢金言集

お金の「味」は使うことから先に覚える。お金さえあれば、欲しいものは大抵、手に入るし、望みは九分通りかなえられることがわかると、人は次第に欲張りになる。しかし、「欲望は無限で、欲望を充足する手段は有限である」というのが世のならいで、それが経済学の出発点になっている。だから何とかしてお金を手に入れたいと思うようになるが、お金のことはなかなか思い通りにならない。
お金のありがたさは、せっせと貯蓄することによって覚えられるものではない。お金を使って、ゼイタクをしてみて、なるほどお金があれば、こんな楽しみがいっぱい買えるんだなあ、と知って、はじめて身にこたえるのである。「ゼイタクがやりたかったら、まずお金を貯めることからはじめなさい」「一所懸命働きなさい」と言われても納得できるのはお金のありがたさがわかったうえでのことなのである。だから、お金の力を認識させるのが第一で、お金の貯め方はそのあとからついてくる。この意味でゼイタクとケチはお互いに相反発する概念ではなく、両立し、相補う概念なのである。どこでケチって、どこで奮発するか、をきちんと心得るようになれば、人間としては一人前といってよいであろう。