館山ラプソディ

館山に行ってたら案の定、週末に帰ってくる予定がちょっと伸びちゃって、火曜日に戻り。海となめろう(鰺)と酒と友に荒っぽく愛されて、すっかり筋肉痛＋残留アルコール50％。これで仕事になるはずもなく……、しかし今夜はレアル・マドリッドの試合がライブであるから、眠れない。

館山というところは、珊瑚の北限だったりしてシュノーケリングからトローリングまでウォータースポーツ天国だし、魚ウマイし、渚銀座っていう悪名高い不夜城まであって、まことに素晴らしい。ところが、またへんな計画があると地元の友人から聞かされた。

なんでも観光での増収をあてこんで館山港港湾振興ビジョンってのを、国と県と市がノリノリで進めてて、館山湾に飛鳥とかにっぽん丸とかが停泊できる大桟橋を造ろうとしてるそうな。事業費は65億円(うち17％を館山市が負担)かかるんだけど、この計画の必要性について市の土木事務所の見解は「国交省から特定地域振興重要港湾の指定を受けたから」というまことに拍子抜けなものだ。もっともジモティーもそんなことに期待はサラサラしていない。数年前の北条海岸の海岸環境整備事業にも否定的だったし、今でも有用性は認められていない。そりゃ、そうだ。汚くなってしまった北条海岸で泳ごうなんて酔狂なジモティはいないし、古くは「Ｇメン'75」のオープニング、最近なら「ビーチボーイズ」などの撮影現場になったってことのほうが、よっぽど観光の目玉になるってことを肌で知っている。

そんなことより「で、そこに自衛隊の船も泊まるんだとよ。なら、米軍の船も来るだろうーよ」と言う。えーだって観光客目当てで、飛鳥やにっぽん丸泊めるんでしょ？　「オメーわ、いくつになってもホントにバカだな。そんなにたくさん豪華客船が来るわけねーっぺ。そのためだけにわざわざ高い金出して造るわけねーだろ？　最初は“テスト”とか“とりあえず”とかで泊めるようにしちまうんだよ」。

館山は、本土で初めて米軍の主力部隊が上陸した場所だ。関東大震災のとき隆起した島が海軍基地(現海上自衛隊)になった。そんなわけで、戦跡なんかもゴロゴロあって、apoたちが行くキレイな浜にも壕とか見張りに使ってた施設とかある。今じゃそこが、ウニだのアワビだのイシダイだのウツボだのの住処であり、apoたちの遊び場にもなってるわけだが。

そんな館山が「備えあれば憂いナシ」というトンマなキャッチフレーズの軍拡の影響を受けて、再びイヤな歴史を上塗りすることになるんだろうか？　いつでもアタマがバカになれるほど遊べる場所であり続けてほしい、なーんて小市民の声なんか海鳴りに消されるだけなのでしょうね。ま、アタクシと友人の妄想かもしれないけど。

参考：千葉県立現代産業科学館の資料にある館山の戦跡
http://www.cmsi.jp/sanko/pages/079.htmlから086.html