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apo (id:MANGAMEGAMONDO) が妄想を吐き出していきます。

Merci AS Monaco:モナコへのオマージュ

去年、F1開催中の5/19、モナコ入りしたアタクシはモンテカルロのASMプロショップでお買い物をしたあと、スタッド・ルイ・ドゥへ向かった。ショップで「練習って見学できるんでしょ?」と聞いたら「ウイウイ、でもASMの事務所で聞いてから行ったほうがいいわよ」と教えてもらったから。そこで英語のできる人を呼んでもらって、ラ・トゥルビまでの行き方を教えてもらう。

「練習は10時からです。だから今日はもうムリですね。そう、トゥルビ。トゥルビエじゃない、トゥルビね。ああ今夜、トゥルビに泊まるの? それはいい。明日は見られるからね。ここからトゥルビは、まず市バスで熱帯植物園まで行くんですよ。熱帯植物園ね。地図だと、ここ。え、書くの? 書いちゃっていいの? ここ、ここね。4番の市バス。…キミのボールペン、書きやすいね。くれる? あ、ダメなの、そう。書きやすいのになあ。そうそう、熱帯植物園の前から、トゥルビ行きのバスが出てますからね。でも、いいですか? バスはちゃんと来るけど、ここはロンドンじゃない。そんなにいっぱいバスは走ってませんから。待つんですよ、気長にね。そう、それでね、バスの運転手に言って、近くで降ろしてって。チームの名前はわかるね? ASMね。この練習場。赤と白のダイヤマークがあるからすぐわかるよ。ああ、明日の朝、トゥルビのホテルから行くんだっけ? トゥルビからの道はバスが走ってるんじゃないほう。そこから少し、下がる。大丈夫すぐわかりますから。じゃあね」

翌日、トゥルビから言われた通り、練習場へ(道は3本しかないから、昨日の説明で十分わかった。3本のうち1本は、ニース方面だ)。ホテルの夜番のおじさんは「誰でも乗せてくれるからヒッチして行きなさい」って言ってたけど、歩いていった。ASMの事務所の人が言ってたとおり、すぐわかった。でも、入っていこうとしたら、お兄さんに止められる。フランス語でよくわかんないけど、どうも、今日は非公開らしい。「どうして? 昨日、見られるって聞いたよ」「フランス語は話せないのか?」「モリエンテスが見たいの!!」「モリエンテス? わかった、わかった」みたいな会話で、よくわかんないが、選手が来るまでここで待ってなさい、みたいなことを言ってる(と予想)。お行儀のよいアタクシは日陰のデカい石に座って『地下室の手記』を読みながら待つ。

それからたくさん人が来て、みんながみんな止められてる。だんだん人が増えてきた。すると、お兄さんは、人に埋もれてるアタクシのところにやって来て「大丈夫か?」と気づかってくれた(と予想)。座って下向いてるから気分が悪いと思ったらしい(と予想)。読んでる内容は真っ暗なんだけど、「気分はいいです、メルシー(ニコっ)」と答えたら、「o.k.」みたいなこと言って反対側の持ち場に戻っていった。

それから2時間。上にある練習場から車が何台が出てきはじめ、全体がザワつきだした。見逃したらどうしよう、と心配するけど事情がまったくつかめないし、誰も英語を話さないから確かめようもない。

見回してみると、反対側にいるお兄さんと目があったので、手振りで「あの車、そう? もう来る?」とメッセージを送ると、「まだまだ、そこにいなさい」みたいにレスしてくれる。車が来るたびお兄さんを見ると、お兄さんもこっちを見ていて「まだ、来ないから、そこにいなさい」と手振り。

しばらくたつとお兄さんがやってきて、何か言ってるけど、「モリエンテス」以外まーーーーったく、何言ってるのかわかんない。お兄さんもアタクシも「どうしよう?」顔。すると、上のほうにいる誰かの姿を見て「ちょっと、おいで」とアタクシをうながし、そこにいた女性に何か話す。すると、彼女が英語で話しかけてきた。

「私はジャーナリストで、今、上(練習場)に行って来たんだけど、モリエンテスはいなかったわよ」

「え"ーーーーー!!!!!」とお兄さんを見ると、お兄さんも申し訳なさそうに「実は、そういうわけなんだ」っぽい顔をする。そんなあ、でもいいよ。アタクシはニコリと笑って「でもジュリとかウーゴ・イバーラとかスキラッチとかローマとかはいるでしょ?」と英語で、でもお兄さんに向かって答えた。人名はハッキリ言った。お兄さんは「ああ、いるよ」と自信ありげに答えた(と予想)。そこにさっきのジャーナリスト女が口を挟んでくる。

「ネエ、あなた、友だちがモナコにいるの? それともモリエンテスのためだけに、ここに来たの?」
プライドを持って答えた「友だちはエックス(エクサン・プロヴァンス)にいるけど、アタクシはモリエンテスに愛に来ました!!!!!!!!!」

彼女はフフンと鼻で笑っている。そしたら、お兄さんが、オイオイと呼ぶ。「プラシル!」と車を指さして教えてくれた。プラシルどうでもいいんだけど、「わー」と言ってカメラを出しておっかけた。それから選手が誰か来るたび、お兄さんが教えてくれた。ローマもウーゴ・イバーラもジュリもジベもプルソも。そんなとき、赤いスポーツカーが見えた。

モリエンテス?」お兄さんは、驚いた笑顔で「ウイウイ、行け行け」言ってる(と予想)。イヤミなジャーナリスト女以外のアタクシのそばにいた女子全員、色めきたつ。キャーキャーっていうより仲間内で「信じられなぁーい、フェルナンドよぉ!!」(と予想)みたいに静かに騒いでる。

こうしてアタクシはモリ男の写真をとって、サインをもらった。うかれすぎてせっかくサインしてもらったTシャツ落っことしちゃったら、そこらへんに溢れてた人が「おーい、誰かこれ落としたぞー」と教えてくれた。誰も盗って行っちゃったりしない。モリ男の車がトゥルビ村へ上がっていくのを見送ってから、お兄ちゃんのところに「メルシー・ボクー」を言いに行った。うんうんとうなずきながら「よかったね」みたいなことを言った(と予想)。「ゲルゼンキルヒェンで会いましょう!!」と言ったら「ウイウイ」ゆってたけど、理解してくれたかどうかはわからない。でも、うれしかった。アタクシもいつかまた、モナコやトゥルビへ帰る日が来るかもしれない。幸せな日々を思い出すために。