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apo (id:MANGAMEGAMONDO) が妄想を吐き出していきます。

「今、ここ」への祝福

「まんがめがむんど」というサイト*1をやっていたときから、ファンキーな反戦コラージュでお気に入りだったビジュアル作家、ケネス・ティン・キン・ハンさんのサイトをつらつら眺めていましたら、サンダンスフィルムフェスティバルで2作品も上映されたとか。さらにめでたいことがプライベートでもあって、昨年、渋谷のスクランブル交差点でガールフレンドにプロポーズ。のんべえ横丁で二人(+大将・客3人の計6人)でお祝いされたそうですの。いろいろございまして*2ナチュラルに脱力してたところに、このロマンティックはクリティカル・ヒット。

渋谷のスクランブル交差点、アタクシにとってはドーデモイイ、むしろ、煩わしいスポットなのですが、1日13万人が行き交う世界一にぎわう交差点の人間大津波のまっただ中って、これほどまで痛烈に、二人の関係性の「今、ここ」を感じられる場所はないかもしれません。地上に溢れ、充ち満ちた赤の他人の存在感。移動する人の群れと経過していく時間。そこに生まれる強烈な磁場エネルギー*3。そのなかで、目の前にいる相手とのスペシャルな関係性は、否が応でも際立つはずです。自覚しないでいることを許しません。

ロマンティックなプロポーズといえば、昨年1/26(現地時間)に行われたスケートアメリカ(全米フィギュア選手権)での井上怜奈ジョン・ボールドウィン*4の氷上・王子さまスタイルが世界中の乙女心を溶かしました。

井上選手の「はぁ? アンタ、ナニやっとんの?」フェイスが物語るように、いつもロマンティックは突然に、予告なしでやってきます。

この時のこの場所、「今、ここ」で、何が起きているのか、一体、わたしにとって何を意味するのか、しっかりと捕まえる。そのセットとセッティングとして、渋谷のスクランブル交差点は最高のロケーションだったのではないかと想像します。さすが、ロマンティックなクリエーターは違うものだわと、舌を巻きました。

もし仮に、こいつを捕まえ損ねた場合、どんなに才能に溢れていても、それを活用する可能性は限定的になってしまうでしょう。当たり前です、幸運を自覚できないのですから。幸運のほうだって、残念に思いながら素通りしていくだけです。

ティン・キンさんにしても、ジョン・ボールドウィン選手にしても、そんな今、ここの「幸運から目をそらさないように」自分と相手に突きつけたように思えます。自覚的にか本能か、はたまたインスピレーションか、それはわかりませんけれども。

「今、ここ」を捕まえることで、幸運をしっかりと味わえると思いますの。その、すばらしい味わいは、いずれ来る困難や障害、窮地においては、生き抜いていくパワーにきっとなるはずですわ。だって、ほら、人間ってキモチイイことしかしないものでしょう? 苦痛さえ、快感のスパイス。蜜の味は忘れられませんもの。

「今、ここ」の幸運に乾杯。遠慮なく存分に味わって。そして、またすばらしい作品で楽しませてください。

*1:生活の大きな変化があって更新できなかったとき、仕様の変更に気づかず、無料サーバーのアカウントが切れた。あのサイトは多くの人との関わりの中から生まれたワケで、結果的に自分のだらしなさとキャパのなさと罪悪感とで、申し訳なさはいっぱいで、また心苦しくもあり……。データはそっくりそのまま持っているので、いずれ記念樹的にどこかアップしたいなと思い、無料サーバーを物色しつつ……、でも永遠に復活準備中かもしれません。不甲斐なくてスミマセン。

*2:岡ちゃんが英語での会見に応じ「We must win」と鼻息荒くしてたので、Livesports.jpでバーレーン戦のライブ中継購入(\315也)したのに寝過ごした。ただし、これは見えざる手によるお導きだったようで、1-0でだらしなく負けた

*3:2011年までに発電床4000基の設置計画。開発は慶大出身者のベンチャー企業(株)音力発電

*4:世界初の投げっぱなしスロートリプルアクセルを成功させて、トリノ五輪7位入賞。井上選手は五輪後、06-07シーズンで競技生活からの引退を宣言したが撤回。08年11月のNHK杯で2位、今年1月のスケートアメリカで3位になり、2月の四大陸選手権代表に選出。二人三脚でバンクーバーを目指す。井上選手といえばガンからの復活ストーリーが有名だが、練習中の頭蓋骨にヒビが入り前歯を折る大けが、卵巣破裂で片方を摘出、それによるPTSD、資金難でのバイト&衣装手作り生活を乗り越えてきた。